ゼロから株やってみる
株ゼロ
この手法でやります。
戦略概要:Kenmo氏の「高値ブレイク狙い+損切り8%」は、株価が一定期間の最高値を更新した瞬間に買い乗せ、大きな上昇トレンドに乗る順張り手法です。新高値更新銘柄に集中投資しつつ、万一の反落時にはエントリー価格から8%下落したら機械的に損切りして損失を限定するリスク管理を徹底します。この手法はKenmo氏の初の著書『5年で1億貯める株式投資 給料に手をつけず爆速でお金を増やす4つの投資法』(ダイヤモンド社、2023年)で詳しく解説されており、彼自身この戦略によって2012年~2014年頃に資産を300万円から3000万円超へと大幅に増やしています。
エントリー条件(高値ブレイクの定義):エントリーのトリガーは「新高値の更新」です。具体的には、「株価が過去1年半の最高値を上回ったタイミングで買いに入る」という明確な基準を用いています。過去の高値圏にあった抵抗線をブレイクアウトした瞬間を狙うことで、新たな上昇局面に入った勢いに乗ります。例えば直近1年~1年半の最高値(52週高値など)を終値ベースで突破した場合にエントリーするなど、\\「過去の◯◯円の高値を超えたら買い」\\というシンプルなルールです。株探の記事によれば、Kenmo氏が投資を始めた当初(2012~2014年)はまさにこの新高値ブレイク投資術で順調に資産を伸ばしており、市場全体がアベノミクス相場で盛り上がる中で効果を発揮したとされています。
損切り「8%」ルールの背景: エントリー後の許容下落幅は-8%に設定されています。この「8%」という数値は経験則とデータに基づくもので、米国成長株投資の大家ウィリアム・オニール氏が提唱する「7~8%下落したら例外なく売却せよ」とのルールに沿ったものです。オニールの分析によれば、ブレイクアウト後に8%近く下落してしまう銘柄は上昇相場に乗れなかった失敗トレードである可能性が高く、それ以上の損失拡大を防ぐため機械的に損切りすべきとされています。Kenmo氏もこの考え方を採用し、-8%で確実にロスカットすることで深刻なダメージを避け、資金の温存と再チャレンジを図っています。また、日本の新高値投資家であるDUKE。氏も「購入値から10%下落で損切り」が鉄則と述べており、Kenmo氏の8%ルールはそれよりややタイトではあるものの、同様に\\“一度の失敗で資金の一割以上失わない”\\範囲にリスクを制限したものと言えます。
エントリー&損切り設定の具体例: 実際のセットアップ例として、Kenmo氏が初期に大きな成功を収めたJINS(3046)でのトレードを見てみます。同社株は2011年頃に業績好調で株価が急回復し、それまでの上場来高値(水準としては過去2年間の高値だった約600円台)を突破して一気に上昇トレンドに乗りました。Kenmo氏はこの600円台後半で新高値ブレイクエントリーし、同時にエントリー価格の約8%下(例:エントリーが¥600なら約¥552前後)に逆指値を置いて損失リスクを限定しました。結果的にJINS株はブレイク後も勢いが衰えず翌2012年春までに1200円台まで急騰し、損切りラインに触れることなく購入価格の2倍近い利益を達成します。このように、本手法ではブレイクした価格付近で買い、8%下落した場合に即撤退、そうならない限り保有継続という形で利益を伸ばすのが基本です。利確ポイントについて明確な数値目標は設けていませんが、急騰後は適宜利益確定やトレーリングストップ注文で利を守ることが推奨されており、Kenmo氏自身も事前に**利確目安のライン**を決めて戦略的に集中投資していたと語っています。
海外トレーダー/理論との関連:Kenmo氏の手法は、海外の成長株モメンタム投資理論と深く通じています。本人も米国投資家オニールの著書『オニールの成長株発掘法』から新高値ブレイク投資を学んだと述べており、実践する損切り徹底ルールもCAN-SLIMで有名なオニール流の7~8%カット戦略を踏襲したものです。また、「高く買ってより高く売る」という逆転の発想は1950年代の伝説的トレーダー、ニコラス・ダーバスの手法としても知られ、Kenmo氏もこの考え方に初めて触れた際「安く買って高く売る常識を捨て、高く買ってより高く売る発想が新鮮だった」と語っています。要するに、本戦略は順張りモメンタム戦略の系譜に属し、海外ではリバモアやダーバス、オニールから現代のマーク・ミネルヴィニに至るまで受け継がれてきた「成長株ブレイクアウト+厳格なロスカット」手法そのものと言えます。国内に目を向けると、DUKE。氏がこの新高値ブレイク投資を体系立てて紹介した第一人者であり、著書『1勝4敗でもしっかり儲ける新高値ブレイク投資術』(東洋経済新報社, 2017年)によって個人投資家の間に広まりました。Kenmo氏も2017年前後にはDUKE。氏の影響下で新高値+ROE重視の投資を行っていたとされ、現在の手法にもそのエッセンス(企業の“ビッグチェンジ”=業績変化に着目し、テクニカルとファンダメンタルを融合させる考え方)が息づいています。
戦略のメリット:*新高値ブレイク投資法には以下のような利点があります。
大きな値幅益のチャンス:上昇トレンドの初動に乗れれば短期間で株価が飛躍し、大きなキャピタルゲインを得られます。実際、Kenmo氏はJINSなどの銘柄でこの手法により数カ月で倍近い利益を上げており、少数の大勝ち銘柄がポートフォリオ全体の利益を牽引する形で資産を効率良く増やしました(\\「1勝4敗でもOK」\\というコンセプト)。
資金効率・時間効率が良い:勢いのある成長株に資金を集中させるため、長期間塩漬けになるような銘柄に資金を拘束されずに済みます。特に本業がある兼業投資家でも、中期目線でトレンドに乗るだけなので日中ずっと板を追う必要はなく、忙しい人でも実践しやすい手法です。
売買シグナルが明確:エントリー条件が「新高値更新」というシンプルな指標のため再現性が高く、初心者にも分かりやすい点が魅力です。「〇〇円を超えたら買い」という明確なルールなので迷いが少なく、ルール通り実行しやすいでしょう。
強い銘柄に乗れる: 高値更新する銘柄は市場の注目を集めやすく、新規の買いが買いを呼ぶ好循環が期待できます。いわゆるブルー・スカイ状態(上値抵抗のない価格領域)に入るため株価が軽く、好材料が出れば一気に上昇しやすい点もメリットです。過去のしこり玉がないぶん上昇の足枷が少なく、需給面でも有利と言えます。
戦略のリスク・留意点:** 一方、本手法には以下のような注意すべきリスクや前提条件があります。
高値掴み・ダマシのリスク: 常に株価の高い水準で買う戦略のため、その直後に調整局面に入ると\\「高値掴み」になりやすい点に注意が必要です。新高値をつけてもそれが本格的な上昇トレンドに繋がらず直後に反落してしまう「ダマシ(偽のブレイク)」\\も頻発します。したがって、エントリー後は株価が自分の購入価格より少しでも下に潜れば即撤退するくらいの慎重さが求められます。
損切りルール徹底の重要性: 上記のような騙しに遭遇しても被害を最小限に抑える鍵が損切り徹底です。購入後一定割合(Kenmo戦略では8%)下落したら機械的に売却するルールを守らないと、下落に歯止めがかからず取り返しのつかない損失に繋がる恐れがあります。実際、本手法で成功した投資家でも初期の大勝ち体験から油断して損切りを怠り、大損した例が少なくないと言われます。「勝率よりリスクリワード」の戦略である以上、小さな負けを積み重ねても一度の大勝で取り返せますが、その前提は損失を常に限定することにあります。
銘柄の選別眼が必要:新高値を付けた銘柄なら何でも買ってよいわけではない点にも留意します。急騰の背景に企業の「ビッグチェンジ」(革新的新製品の成功、業績急改善、経営戦略転換など)や強力なファンダメンタルズの裏付けがあるかを見極めることが重要です。Kenmo氏もJINSを選んだ理由として「増収増益で業績が右肩上がりだった」「経営者のビジョン刷新で復活の兆しが見えた」点を挙げており、成長性・業績面が手法の条件に合致していたと分析しています。テクニカルなブレイクだけで飛び乗るのではなく、裏付けとなる企業の質を確認するためのファンダメンタル分析も求められるため、それ相応の知識と分析時間が必要です。言い換えれば、本手法が威力を発揮するのは\\「業績好調で上場来高値を更新しているような成長株」\\に限られるということです。
相場全体の地合いに左右される:新高値ブレイク戦略はマーケットの地合いにも大きく影響を受けます。個別企業に好材料があっても、市場全体が下降トレンドではブレイクアウト銘柄も伸びにくいのが実情です。実際、Kenmo氏も2015年以降、市場環境の変化で従来の手法が通用しなくなり模索を始めた経緯があります。順張り戦略の極致である本手法は強気相場で最大の効果を発揮しますが、弱気相場やボラティリティの低いレンジ相場では騙しブレイクが増えて勝率・利益率とも低下する傾向があります。したがって、常にマクロ環境や相場のフェーズを認識し、\\「地合いが良い時期だけ攻め、悪化時は休む」\\といった柔軟な姿勢も求められます。